3月19、20日にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨の規制案が議題に上ることが5日、分かった。仮想通貨をめぐっては、市場がマネーゲームの様相を呈しているほか、犯罪資金の調達やマネーロンダリング(資金洗浄)などへの悪用が懸念されている。日本は、世界に先駆けて導入した仮想通貨交換業者の登録制などの取り組みを説明し、議論を主導する構えだ。

仮想通貨は日本円などの通貨と違い、国や中央銀行のような公的な管理者がいない。利用者の匿名性の高さや国境を越えた迅速な資金移動も可能で、犯罪収益の移転に悪用される危険性もある。このため、世界規模で統一した規制が必要と指摘する声は多い。G20では、ドイツやフランスがマネーロンダリングの観点から規制強化を主張している。

会合では、乱高下する仮想通貨市場の規制について風説の流布や空売りの禁止などが議論される見通し。経済協力開発機構(OECD)、国際通貨基金(IMF)に対策を命じることを検討するなど、今後の規制強化策の土台作りの議論を行う方針だ。

日本は、利用者保護やテロ・犯罪組織による仮想通貨の悪用防止を狙い、昨年4月に導入した仮想通貨交換業者に対する登録制の効果を説明。不正な取引をチェックするよう指示できる事例などを紹介する。不正アクセスにより約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した仮想通貨交換所大手「コインチェック」(東京)への立ち入り検査で判明した原因の一部なども取り上げるもようだ。

 仮想通貨をめぐっては、中国が昨年9月、企業が独自の仮想通貨を発行して資金を調達する「新規仮想通貨公開(ICO)」を禁じ国内の取引所を閉鎖。米英の大手銀行は今年に入り、クレジットカードで仮想通貨を買えないようにした。

 一方で、複数のコンピューターで取引を監視する「ブロックチェーン技術」で管理する仮想通貨は、海外送金にかかる時間が大幅に短縮でき、コストも大きく減る利点がある。「仮想通貨は大きな可能性を秘めており、リスクだけでなくチャンスでもある」(財務省幹部)とし、規制を強めすぎれば技術革新が進まないとの指摘もある。市場の健全性向上とどう折り合いをつけるかが焦点になる。

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