NEMは2014年に始まった仮想通貨の1つであり、ここ数年世界中の大企業とのパートナーシップを結び、アジア、ヨーロッパなどへの拡大を図ってきました。

皮肉にも2018年1月に大手仮想通貨取引所コインチェックで580億円相当のNEMがハッキングによって盗まれるという事件で広くその存在知られるようになりましたが、それ以前からその技術により注目を集めて来た仮想通貨です。

仮想通貨市場の暴落により一時はその価格が下落していたNEMですが、現在回復を見せており執筆時点でcoinmarketcapの時価総額では第12位につけています。

仮想通貨NEMとは?

2014年にスタートし、2015年3月31日に安定板がリリースされたNEM。
ニュー・エコノミー・ムーブメント(New Economy Movement:NEM)の頭文字を取ったこのプロジェクトは将来的な潜在力を持ったものとして考えられています。

NEMは世界初の「スマートアセット」ブロックチェーンで、企業を念頭に置いて構築されたNEMは、安全な元帳を維持するための合理的な方法を提供するように設計された世界クラスのプラットフォームです。

NEMのブロックチェーン技術は、膨大な種類の安全な元帳と取引追跡システムを大幅に簡素化する可能性を提供すると共に、任意のプログラミング言語で使用できるAPI(アプリプログラミングインターフェース)を提供します。

つまり、NEM「Smart Asset System」という技術により、組み立て形式のカスタマイズを念頭に設計されているため、ブロックチェーンの知識がなくてもその技術を利用したアプリケーションを容易に作り上げることが可能となっているのです。

Smart Asset System

NEMの主な機能は、「Smart Asset System」と呼ばれるものの実装です。

このシステムはユーザに、独自の「スマートコントラクト」のためにカスタマイズされたブロックチェーンを実装する能力を提供します。

「Smart Asset System」は、ビジネスデータを処理するために使用するツールを記述する方法で、以下の4つの要素に分けられます。
【アドレス】 コイン、契約、行為、またはビジネス記録を保持するコンテナ。これらのコンテナは、硬貨でいっぱいのユーザーのアカウントのような単純なものだけでなく、公証される文書のようなもっと複雑なものにすることも可能です。 【モザイク】 カスタムトークンまたはその他のデジタルアイテム。これらはコインのようなものであったり、株式、報酬ポイント、または他の通貨など色々なアイテムを表すことができます。 【ネームスペース】 企業やユーザーが誰であるかを証明し、資産をそれぞれのホームに与えるウェブアドレス。NEMのブロックチェーン上に資産を配置するための場所を作成し、資産を使いやすく信頼できるものにします。 【トランザクション】 アドレス間でモザイクを転送する、アドレスの所有権を移転する、アドレスを設定するなどの操作を実行できるようにすることで、スマートアセットを有効にします。

更にNEMはこのSmart Asset Systemにおけるユースケースリストを公開しています。

用途には投票クラウドファンディング株式所有安全な記録の保持ロイヤルリワードポイントプログラムモバイル決済エスクローサービスなどがあります。

ホワイトペーパーに記載されているように、NEMはビジネス目的で使用されるカスタマイズ可能なブロックチェーンベースのテクノロジーとして設計されていますが、NEMのソフトウェアは非常に適応性が高いため、潜在的な用途はほぼ無限です。

例えば、スマートコントラクトは銀行の中央元帳ソフトウェアや、投資会社による取引を追跡したり、出生証明書などの政府書類を保管したり送信したりするために使用できるため、非常に汎用性の高い技術といえます。

PoI(Proof-of-Importance)

「Proof-of-Importance」、「Proof-of-Work」「Proof-of-stake」は全てブロックチェーン技術を使った仮想通貨に取り入れられている取引の検証アルゴリズムです。

PoW -プルーフ・オブ・ワーク-は、ビットコインなどに実装され使用されるている最初のシステムであり、コンピュータを使用して計算する能力(仕事=work)の高い者が選ばれて取引の検証することでコインを掘る「マイニング」を行うアルゴリズムです。

これには「費用」、「エネルギー」、「時間」などの問題が提起されています。

その点を解決する技術として PoS -プルーフ・オブ・ステーク-がイーサリアムに導入されました。

コインを保有している量や保有期間(掛け金=stake)により選ばれた者が取引の検証をすることでコインを鋳造する「フォージング」を行うアルゴリズムです。

これには「流動性の欠如」、「富の集中化」などが問題になっています。

NEMは、新たなコンセンサスプロトコル「Proof-of-Importance」を開発しました。

この技術の特徴は、検証する者が「コインの保有量」に加えて「取引量」も考慮されることです。NEMコミュニティに参加し、誰とどのくらい取引しているかがユーザーの「重要度=importance」として測られるシステムを採用することで、PoSの問題を解決すると期待されています。

ブロックを作成するプロセスは「ハーベスティング」と呼ばれ、ブロック作成者は関連するトランザクションのすべての料金を徴収します。ハーベスティングを行う者は「ハーベスター」と呼ばれ、ハーベスターはその口座の重要性に基づいて選ばれる仕組みです。

将来性が期待されるNEM

NEMは開発の容易さ、柔軟性、独自の PoI -プルーフ・オブ・インポータンス-システムにより、ブロックチェーンソリューションを構築しようとする開発者や企業にとって非常に魅力的なプラットフォームになると考えられています。

様々な企業との提携、大手取引所への上場、NEM上に構築されるプロジェクトの増加などにより、今後さらに注目を集めていくでしょう。

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